頭蓋骨と体の位置関係がもたらす影響について
パーキンソン症候群の治療を受けておられる方、バセドウ病の治療を受けておられる方のサポート例をご紹介しましょう。
全身の筋肉の疲労などで、背中が若干曲がり、頭蓋骨がわずかに前方に突き出ます。
この「わずかに」という感覚は、「身体が想定している突き出し方よりも、わずかに多く突き出る」というような感覚でとらえます。
そしてこれを支えるべく、胸鎖乳突筋が大きく張っているのが分かります。
胸鎖乳突筋が大きく張ると、今度は違う要素が関係してきます。
もともと、頭蓋骨を支える目的で胸鎖乳突筋が強化されたのですが、いつの間にか、頭蓋骨と鎖骨をより一層くっつけようとする力になってしまいます。
胸鎖乳突筋は体の前面と、耳の後ろ(頭蓋骨の中心よりも後ろ)側をつなぐ筋肉です。
立位で垂直の軸を設定した時に、その軸から斜めにずれた軸で力を発揮することになり、間にある部位を回転させる力が発生します。
頭蓋骨と胴体が綱引きをすると、軍配は質量の大きな胴体に上がります。質量の大きな胴体がアンカーになり、頭蓋骨が前上方向に回転します。
このことによって頭蓋骨と頸椎の位置関係が変更されると考えています。
この負担から解放して差し上げたのが、サポートの例です。
パーキンソン症候群の治療を受けておられる方へのサポートとしては、呼びかけなどに対しての応答のスピードが上がり、気持ちもスッキリとし、ご自身の意思、ご自身の思索のスピードを楽しんでおられます。
バセドウ病の治療を受けておられる方へのサポートとしては、頭蓋骨内から眼球に向かう圧力が軽減され、目が楽になったとおっしゃいます。
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